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35話 彼女は気づいた

last update Last Updated: 2025-04-20 20:36:40

A級ブリザードが島に直撃して3日が経った日の事である。理人と隆太のいるラボに映像付きの通信でミディールから通信が入った。

 「貴方たちのいるラボに転送装置の機体があるはずなんだけどそれと同じものを理人君の家にこの間設置したはずだからそれを使えばすぐにでも屋敷に戻れるはずなんだけど...」

 「はぁ?」

 何言ってんだこの人はここに閉じこもってからもう3日も立ってんだぞいまさら何言ってんだ?

 「流石にいまさらそんな話するのはおかしくないか?今まで何で話さなかった」

 さすがの理人も怒りをあらわにしている無理もない。

 「ごめん転送装置がそちらにあるのがわかったのはつい今しがたの事なのよ...」

 「兄ちゃん確かにあったぜ。あの縦長くて丸みのある物体だろ?」

はぁ~まじかよ...この数日間はいったいなんだったんだ...

 「でも少々問題があってね....その端末は長い間電源が入ってなくてエネルギーの残量がゼロ。いま電源をつけてチャージーし始めたから十分にエネルギーがたまるまで後1日はかかるは」

 「なんでそんな適当なところ所に要所要所に問題を...はぁ...」

 「まぁーいいじゃねーか兄ちゃん水も食料も十分あるあと一日くらい問題はないぜ。ミディールさんよ~屋敷にいる美亜と奏花と通信を繋げられるかい?」

 「そちらから屋敷にある端末のアドレスを入力すればつながるはずよ。私は転送装置をつかって先にあなたの実家に行かせてもらうわ二人が心配だからね」

理人は屋敷にあるパソコン端末のアドレスを入力し通信を繋げる

-------------------------------------------------------------

 一方その頃。美亜たちは。

 「どうしよう38.5℃も熱がある..解熱剤もきらしているしどうすれば...」

ミナは一度は体調が回復したと思われたが二日たった頃から。熱が出始め体調が悪化してしまった。

顔色が悪く時々せき込み苦しそうである。

 「私、水組んでくる美亜ちゃんはこの子を見てて」

 「僕も行くよ二人なら多く組んでこれる。すまないミナの事を頼む」

二人は分厚い服を着こんで食堂に水を組みに行こうとする

プシュン ----。

 「ふぅ。到着と。あの子たちは無事かしら」

端末が置いてある地下室から出たミディールだが....

 「ひぃぃぃ寒す
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    体調不良による高熱。意識が混濁。そして以上に速い心拍と脈。血圧の異常な高さ。外的なショックもないのにあざの様なものが体中に現れるこれは----この症状は。あの時の美亜ちゃんと同じ症状。 でもなぜ?彼女はどう見ても人間 ---。 研究所が何者かに侵入されその施設の設備を使用された可能性がある。 人の細胞の一部から採取されたデータを基礎に細胞...DNAの持ち主の形を元にして体を形成し人工的に人の姿に作り上げられた言わば人工人間...それがホムンクルス。 研究所が何者かに侵入されその施設の設備を使用された可能性がある事をミディールは現在の拠点の施設から遠隔操作で発見。これを調べるため理人と隆太はその研究所に調べに行く事となった....のだが... -----------。(ホムンクルス生体研究) ..........。 ミディールはゆっくりと目をつぶり全てを理解した。そして彼女はユウキの前に立ちジ~と見つめかれの肩に手を置くと以上までの冷静な口調で話し出す。 「あなた、この子に何をしたの?怒らないからちゃんと話しなさい。」 ............彼はこの時こう思った駄目だこの人には嘘を付けないと。瞬時に悟った  「私はね?これでも医学だけでなく様々な分野をまたにかける研究者。私には絶対に嘘は通用しない。」 終わりだ。この島にはもういられない。それどころではすまなくなる。彼はガックリとそのばに縮こまるように座り込みガタガタと震えだすまる ミディールは彼のカバンの中を調べるととある書籍を見つけた「ホムンクルス生体制作書」まさかこんなものまで見つけ出すとは。 「僕はあの施設を使って妹をミナを蘇生させた..。こうするしか道は無かった」 「あなた何を考えてるの。これは蘇生ではなくホムンクルスを作る行為。この子はあなたの妹の意識とは全く別の意識が宿る事になる全くの別人なのよ?」 「それでも、ミナに生きてほしかった。僕の隣にいてほしかった」 「この子はあなたの妹ではない!!こんな事をしてあなたの妹さんが悲しむだけ!!この子だって真実を知れば一生苦しむことになる!!あんた!!その重荷を一生抱えて行けるの?」 「ミナにだっていきる権利がある!!!死んでいい命があってたまるか!!!」 「残念だけど...ホムンクルスの研究は完成してい

  • Never Islan   35話 彼女は気づいた

    A級ブリザードが島に直撃して3日が経った日の事である。理人と隆太のいるラボに映像付きの通信でミディールから通信が入った。 「貴方たちのいるラボに転送装置の機体があるはずなんだけどそれと同じものを理人君の家にこの間設置したはずだからそれを使えばすぐにでも屋敷に戻れるはずなんだけど...」 「はぁ?」 何言ってんだこの人はここに閉じこもってからもう3日も立ってんだぞいまさら何言ってんだ? 「流石にいまさらそんな話するのはおかしくないか?今まで何で話さなかった」 さすがの理人も怒りをあらわにしている無理もない。 「ごめん転送装置がそちらにあるのがわかったのはつい今しがたの事なのよ...」 「兄ちゃん確かにあったぜ。あの縦長くて丸みのある物体だろ?」はぁ~まじかよ...この数日間はいったいなんだったんだ... 「でも少々問題があってね....その端末は長い間電源が入ってなくてエネルギーの残量がゼロ。いま電源をつけてチャージーし始めたから十分にエネルギーがたまるまで後1日はかかるは」 「なんでそんな適当なところ所に要所要所に問題を...はぁ...」 「まぁーいいじゃねーか兄ちゃん水も食料も十分あるあと一日くらい問題はないぜ。ミディールさんよ~屋敷にいる美亜と奏花と通信を繋げられるかい?」 「そちらから屋敷にある端末のアドレスを入力すればつながるはずよ。私は転送装置をつかって先にあなたの実家に行かせてもらうわ二人が心配だからね」理人は屋敷にあるパソコン端末のアドレスを入力し通信を繋げる------------------------------------------------------------- 一方その頃。美亜たちは。 「どうしよう38.5℃も熱がある..解熱剤もきらしているしどうすれば...」ミナは一度は体調が回復したと思われたが二日たった頃から。熱が出始め体調が悪化してしまった。顔色が悪く時々せき込み苦しそうである。 「私、水組んでくる美亜ちゃんはこの子を見てて」 「僕も行くよ二人なら多く組んでこれる。すまないミナの事を頼む」二人は分厚い服を着こんで食堂に水を組みに行こうとするプシュン ----。   「ふぅ。到着と。あの子たちは無事かしら」端末が置いてある地下室から出たミディールだが.... 「ひぃぃぃ寒す

  • Never Islan    34.5話 遺された想いの鎮魂歌

    神奈川県綾瀬市。何もない地たが自然あふれる何故か懐かしさを感じる土地である。彼らが住んでいた場所でもある。私と新田は彼らの遺品を整理するため理人の住んでいた家に来ていた。 彼、理人さんの死後、彼の遺品の整理を本人の依頼から頼まれていた。 「いいのか?本当に彼の遺品の整理は俺がやるから自分の身の回りの整理をした方が良かったんじゃないのか?」 「彼からの依頼だからね。仕方がないよ」 二人は荷物をダンボールに入れていく。新田は一つの写真立てを目にして手にする。 「もしかして、この子が?」 「そうだ理人さんの妹さんだよ」新田は彼女の写真を見て複雑な気持ちになって来た。 これは......ほとんどが妹に関わる持ち物ではないか.....彼は......彼女との再会のためにどれだけの苦悩と苦しみを味わったのだろうか?  新田は理人と美香のツーショットの写真を見つけた。写真の裏にはこう書いてある。2011年3月10 「この写真は美香ちゃんがグロウベルグシステムを適用する前日に取ったものだろうね」 綺麗な装飾がされた写真立てに入れられている。余程大切にしていたのであろうか?色違いのマグカップが二つ。色違いのゲーム機PSPが二つ。さらに色違いの箸が2セット。どれも大切にほかんされていた。どれもこれもが2つにセットされ色違いの者ばかりである。多分二人が一緒に暮らしていた時に使用していたものであろうか? 箪笥の奥から綺麗な装飾が施された大きな箱が置いてあった。甘夏目はその箱を開けようとするが手が震えて開ける事が出来ない。 「もういい。俺が開ける」そう言うと新田はゆっくりと箱を開けていく  綺麗な白い装飾が施されたドレスが入っていた。間違いなく結婚式に着る品物だ新田はドレスと一緒に小さな箱が置いてある事に気づきその中を確認する。その中には指輪が二つ入っていた。 小さい方の指輪の裏側には小さい字でこう書いてある。『妹へ永遠の愛と共に人生のその最後まで共に生きる事を誓う』  新田は「はぁー」と大きく息を吸った後腰が抜けてその場に倒れこむ その後新田は泣き崩れてしまう。  「彼の顔も知らない君が何でそんなに泣くんだい」 「だってよ....彼の苦しみを考えるとよぉ....本当に愛してたんだな...妹の事」 「彼らの関係は知っていたけど

  • Never Islan   34話 親近感

    A級ブリザードそれは時として多くの人の命を落とす恐ろしい災害。人工物を凍らせ破壊しそして人の命を脅かす。 ユウキとミナが屋敷に滞在してからすでに3日が過ぎたが一向に収まる気配がしない 理人と隆太は無事なのか?美亜と奏花は心配でたまらなかった。「ざーーーざーー!!」   奏花はラジオを付けたがノイズの音しか聞こえない。この様な状態ならば電波が届くはずがない。 美亜は暖炉の薪を追加していく。とにかく暖炉の火が消えないようにしないといけない。ミナの体調の事も問題もあるため暖の問題には特に油断が出来ない状況である。 「すまない僕たちのためにいろいろと迷惑をかける」「気にしないでください困ったときはお互い様ですよ」 美亜はユウキとミナの境遇に何故か親近感がわいていた。なぜか二人を放っておくことが出来なかった。 「理人君だっけ?君の大切な人なんだよね?こんな時に何だけど本当に無事だといいんだけど...」 「あの人ならきっと無事ですよ!建物の中に避難しているはずですから。きっとユウキさんともいい友達になってくれると思いますよ。」二人は何気ない会話をしながらこう思った『ああ、やはり自分たちと何か似ているな』と 「この吹雪がやんだらとりあえず実家に戻るつもりだ。」 「その話何ですけど。あのですね、もしよければあの人が帰って来るまでここにいると言うのはダメですか?」「でもこれ以上迷惑かけるわけには...」ユウキはこれ以上迷惑をかけるわけにはいけないと思ったがせめてこの吹雪がやむまでは致し方ないと思っていた。 しかし彼女のその優しさは凄くありがたかった。両親を早く無くしずっと妹のためだけに生きて来た。ここまで人から優しくされたのは生まれて初めてとさえ思えてしまえるほどであった。 「くーくー..」  「すうーすぅー..」奏花とミナは寝息をたてながら寝ている。 「こいつ...友達が欲しかったんだろうなきっと...」 「もう友達ですよ...私たちは...」 「ありがとう、本当にありがとう」 ユウキはホロっと目から涙が流れ始めた自分がしてしまった行為は人として一線を越えてはならない事だ。  どんなに尊い存在で大切な存在であったとしても一度死を迎えた命を簡単に蘇生させるなどという行為は許されない道徳では無いのか?彼の心を重く締め付け

  • Never Islan   33話 遭難(そうなん)です

    吹雪のため、破棄された施設の中に避難した理人と隆太はそのまま足止めを食らう形となってしまった。 「どうだ?何とかなりそうか?」 「いまこの施設内の電力系統にアクセスしているうまくいけば施設内のシステムを回復できるはずだ」理人は施設内のPC端末を操作してシステムを回復できないか試しているようである。 「電力操作....システム系統...供給維持...アクセス系統異常なし...後はオンラインモードに移行..電圧固定異常なしこれで行けるはず」 「マジで頼む死にたくない」すると施設内部が明るい光が灯されていく。 「た、助かったのか?」 「うん、上手くいったよこれで凍死だけは免れるよ」 「縁起の悪いことは言わないでくれよ兄ちゃん」隆太は不意に苦笑いをしてその場をごまかそうとする「何か食えるもん無いか探しに行かないか?さっき食堂みたいなところがあったのを見たぜ」 二人は食堂らしい部屋に入ると複数のテーブルと奥においてある大きな冷蔵庫を複数個目にする。確かにここは食堂だったようだ。しかし空腹を満たせなければまったく意味がない。二人は手分けして食べられそうなものを探す事にする。 理人は冷蔵庫の中から封が明かされていない完全に密封された食料を見つけた。「これ..レーションかしかも結構な数があるぞ」 一方隆太はレトルトのような食料を見つけた。「レトルトのスープか...でも火が使えなきゃ意味ないぞ」 さらに.....「1分でキープ。ウォーターゼリー。飲み水にもなりそうだな」 とりあえず二人は飢えだけは凌げそうである。 二人はとりあえずレーションを食べる事にする。「これお菓子みたいだな」 「災害などが起きた時の非常食として作られたんだよこれは。まぁ今の状況にはぴったりじゃないか?」「食えるだけマシってわけだ」 ムシゃ!!ムシャ!!.....ごくり!!........「お菓子だなこれは....まあ不味くはないぜ」 「んじゃ俺はこっちのほうを.....」理人はウォーターゼリーを口にして飲みだす  ごく..ごく....「昔これと似たよなもの飲んだことがある...朝にのむやつ...とりあえずこれで喉はうるおせるかな?」 何とか空腹を満たすことができた二人だが。吹雪が落ち着くまではこの建物から出る事は出来ない。二人はもうしば

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